そもそもブレンドコーヒーとは?
ブレンドコーヒーは二種類以上の異なる豆を混ぜたコーヒーのことを言います。そうでないものをストレートコーヒーと呼びます。
コーヒーのブレンドの中でもコロンビア・ブラジル・モカ・ロブスタを4:3:2:1で配合するなどが一番有名なブレンドの黄金比ではないかと思われます。
しかし珈琲の歴史において、昔の喫茶店では豆の質がよくない豆を掛け合わせることで無難な味にすることができるということで上記の配合はよく使われていました。
そうすることで、コストを下げ無難にまずくない万人向けのコーヒーができます。
チェーン店では今でもよく用いられてる手法です。
しかし昨今のスペシャルティブームによって質の高い豆が入ってきたことによって、それらの良い豆を掛け合わせることでより立体感や個性のある味づくりができるようになってきました。
今回の記事では後者の味の立体感や個性などをかけ合わせることで、よりおいしいコーヒーを目指すブレンドの作り方をご紹介します。
ブレンド方法の種類
そもそもブレンドには
- プレミックス
- アフターミックス
の二つがあります。
プレミックスは生豆の状態で珈琲豆を混ぜて焙煎するというやり方で、アフターミックスは焙煎してからそれぞれの豆を掛け合わせるという方法です。
プレミックスは焙煎前に混ぜてしまうので、一回の焙煎で終わるという手間がかからないメリットがありますが、豆がそれぞれ違うためムラのある焙煎になってしまったり、豆によって適切じゃない焙煎度合いで止まってしまう可能性があります。
アフターミックスは生豆ごとそれぞれ焙煎して、焙煎後の豆を掛け合わせるという方法です。
こちらの方法はそれぞれの豆の個性を最大限生かした適切な焙煎ができるというメリットがありますが、それぞれ別に焙煎するので手間と時間がかかるというデメリットがあります。
今回は最大限美味しいblendを作るための記事ですので、アフターミックスに限って解説していきます。
ブレンドの味の決め方
ブレンドをを作る際に必要な流れは
- ゴールを決める
- ベースの豆を決める
- 合わせる豆を決める
この三つです。
1,ゴールを決める
まず、ブレンドを作る際に最も重要なポイントはゴールを明確にすることです。
ゴールとは何か?それは自分の作りたい味やコンセプトです。
例えば、チーズケーキに合うコーヒー、寒いときに外で飲みたくなるコーヒー、春らしい華やかなコーヒーなどなんでもいいのでイメージを決めます。
こういったコンセプトを明確化しないとブレンドは作れません。
ですのでまずブレンドのゴールを決めましょう。
2,ベースを決める
その次に決めるのが、ベースの豆の選定です。1できめたコンセプトから1番イメージの近い豆を選びます。
甘いものに合うコーヒーだったら深煎りのコクと苦みがある豆、華やかなコーヒーなら少し浅めのフローラルなフレーバーの豆など自分の思う1番イメージに近い豆を選んでみてください。
3,合わせる豆を選ぶ
ベースに対して合わせる豆を選んでいきます。
コツとしてはだいたい同じ方向性の豆を掛け合わせるということです。
フルーティーな豆がベースならフルーティな豆を合わせる。
ナッツ系ならナッツ系を合わせる。
こういった味の方向性を整えることが味をまとめるポイントになります。
フルーティなものにナッツ系を合わせるのは出来なくはないですが、味が濁りやすいので初心者にはお勧めできません。
あくまでもイメージしたベースの豆に合わせる豆ですので、スパイス程度に考えて味を補う意識で配合しましょう。
おすすめのブレンドの黄金比率3選と組み立ての考え方
ブレンドの考え方として三種類の方向性があります。それは
- バランス型
- 相乗効果型
- 個性のかけ合わせ型
こちらを順に解説します。
バランス型
バランス型は味の厚みや、コクを出したいとき、万人受けしやすいコーヒーを作りたいときによく用いるやり方です。
ステップとしては次の三つです。
- ベースを決める
- 足したい個性の豆を選ぶ
- 二つの個性をつなぐの豆を選ぶ
ベースを決める
まずベースを決めます。ベースを選ぶ際に重要なのは、やや深煎りに近い豆を選ぶことです。
土台となる味なので力を持った味わいのコーヒーでありつつ、バランスの良い豆を選ぶのがよいと思います。
おすすめはブラジル、グァテマラ、コロンビアあたりの中深~深煎りの豆です。
出したい味わいに近いものを選択してみてください。
スパイスとして足したい個性の豆を決める
少し華やかな印象を持たせたい、しっかり重厚感のある深めの味にしたいなど、その時のコンセプトによって足す味を決めます。
華やかな印象ならエチオピアのナチュラル精製の豆、重厚感のある味わいならインドネシアのマンデリンなどがおススメです。
ここではベースの豆との相性を完璧に合わせるよりブレンドのイメージにできるだけ近くて個性の強い豆を加えるのがポイントです。
味のつなぎになる豆を決める
ベースと足したい味の豆を決めたら、その味わいのつなぎになるコーヒーを選びます。もし、ベースの豆と足そうとした味わいの豆の相性がいい場合はここは省略して二種類でブレンドを完成させてもよいです。
もしベースで深めの力強い豆、加えた豆が明るい華やかな印象の豆の場合は二つの豆の個性が離れすぎて味がまとまらない場合があります。
そのときは間につなぎを入れるイメージで、マイルドなコーヒーを加えてみたりするのがよいかと思います。
つなぎで活躍するのはコロンビア、グァテマラなどの苦みも酸味も両方持ち合わせているものがおススメです。
バランス型の配合黄金比
おすすめのバランス型のコーヒー豆のブレンドの配合比率は「5:3:2」です。
構成の内容としては
5:メインでベースとなるコーヒー豆
3:味のつなぎになるコーヒー豆
2:スパイスとしてのコーヒー豆
上記のようにやっていただくのがいいかと思います。
個性の増幅型
こちらはイメージしてる味わいに近いもの同士を掛け合わせます。
スペシャルティコーヒーなどの個性の強い豆のブレンドによく用いられる方法です。
柑橘系のフレーバー同士を掛け合わせてより厚みのあるフルーティーなブレンドを作ったり、深煎りの豆を掛け合わせてよりコクや重厚感のある味わいにしたりなど、似ている個性や相性が明らかに良さそうな二つのコーヒーを掛け合わせるときに使います。
相乗効果型のおすすめの配合比率は「7:3」です。
ブレンドのイメージに近い豆をベースにして、彩りと味の幅を加えるイメージで配合します。
このタイプのブレンドはあまり多くの豆を使ってしまうと逆に個性が消えてしまうので2種類くらいに抑えとくといいと思います。
個性の化学反応型
こちらはそれぞれの個性を掛け合わせてブレンドするやり方です。違う個性をぶつけてオリジナルブレンドを作ってくやり方になります。
深煎りの豆と浅煎りの豆をあわせたり、コクのあるタイプとフルーティーな豆を合わせたりと異なる個性をぶつけるやり方です。
これは思った味を作るというより、想像しうる味を超える場合もあればあまりおいしくない場合もある当たりはずれのあるやり方になります。
ブレンドのおすすめ配合比率は「5:5」もしくは「6:4」です。
なぜ二種類あるかと言いますと、そもそもの豆の味の強さが違うからです。インドネシアの深煎りやケニアの浅煎りなど、その豆の個性がかなり強い場合は合わせた豆の個性を消してしまいます。そういった豆を使う際には、少し配合量を減らして6:4でブレンドしてあげるとよいと思います。
まとめ
今回は三種類のブレンドの型
- バランス型
- 個性増幅型
- 個性の化学反応型
の三つを紹介しましたがこれが正解というものではありません。
ブレンドは枠にとらわれず自由にできるというところが魅力ですので、今回紹介した配合の黄金比はあくまでも参考としてご活用ください!
あなたの世界に一つだけのブレンドを作って楽しんでみてください!
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