私は店舗をオープンするときは、最初の集客は苦労していいのでサイレントオープンをお勧めしてます。
それはオープンしてから来店するタイミングによって客層が違う違うという現状があるからです。
ですので、それぞれに合わせた戦略をとらないといけないと考えております。
今回はカフェを開店してからお客様に来店していただく際に、そこの地域や市場にどうやって広がっていくかをイノベーター理論で考えていきたいと思います。
イノベーター理論とは?
そもそもイノベーター理論とは何なのでしょうか?
イノベーター理論は、新しい技術やアイデアが市場にどのように浸透していくかを説明する理論です。
この理論は、1962年に社会学者エベレット・M・ロジャース(Everett M. Rogers)によって提唱されました。
ロジャースはこの理論を「イノベーション普及理論」(Diffusion of Innovations)という形で発表し、後に「イノベーター理論」として広く知られるようになりました。
イノベーター理論の5つのカテゴリ
この理論では、消費者を以下の5つのカテゴリに分類します。
- イノベーター(Innovators):
- 全体の約2.5%を占める最初の採用者。
- リスクを厭わず、新しい技術やアイデアを真っ先に取り入れる層。
- 社会的なつながりが広く、技術への高い関心を持つ。
- アーリーアダプター(Early Adopters):
- 約13.5%を占める次の層。
- イノベーターほどリスクを取らないが、他の人々よりも早く新しい技術やアイデアを採用する。
- 社会的に影響力があり、他の人々が彼らの選択に影響されることが多い。
- アーリーマジョリティ(Early Majority):
- 約34%を占める層。
- 新しい技術やアイデアに対して慎重であり、アーリーアダプターがその価値を証明した後に採用する。
- レイトマジョリティ(Late Majority):
- 約34%を占める層。
- 大多数が採用してから初めて新しい技術やアイデアを取り入れる。
- 新しいことに対して懐疑的で、リスクを極力避ける傾向がある。
- ラガード(Laggards):
- 約16%を占める最も遅い層。
- 伝統的な価値観を持ち、新しい技術やアイデアを非常に遅く、あるいは全く採用しないことが多い。
カフェでの各客層への理解とアプローチ
イノベーターへのアプローチ
特徴: イノベーターはリスクをいとわず一番早い段階で受け入れてくれる人たちです。
「新しいカフェがオープンする」という情報をいち早く手に入れ、オープン後すぐに来店してくれくれる客層です。
イノベーターは多少高くても構わず購入してくださり、真っ先に体験してそれを周りに話すことを楽しみにする方が多いです。
ですので非常に拡散力は高く、最初の集客に大きく貢献してくださいますが、体験を重視する為リピーターにはなりづらいところがあります。
戦略:ここの客層を取り込みたい場合はとにかくオープンを知ってもらうことや、新しい価値や、体験をアピールすることが大事です。
- プレオープンや招待制イベントの実施: イノベーターに向けて、カフェのプレオープンや限定招待イベントを実施します。彼らに特別感を提供し、カフェの雰囲気やコンセプトをいち早く体験してもらいます。
- 新しいメニューやコンセプトの提案: 体験を重視するので、カフェの特徴的なメニューや独自のコンセプトをアピールします。
- 口コミやSNSでの発信: イノベーターは情報発信に積極的で、SNSでの影響力も高いです。彼らがカフェのことをSNSでシェアするよう促すと、自然と次の層へと情報が広がります。
アーリーアダプターへのアプローチ
特徴:
アーリーアダプターはイノベーターの次に来店される方々で、新しい体験を求めるが、リスクには慎重なタイプです。
イノベーターの口コミや他のお客様の入りを少し見てから来店される層です。
この層の人たちは、新しいものを早めに体感しようと思いますが、後続のお客様と評価基準が離れておらず、拡散力も強い為一番お店の集客に与える影響が大きい存在です。
あそこの店はよかった、悪かったなど、口コミをやたら言って回るおしゃべり好きな近所のおばちゃんのようなタイプです。
常連さんになるor常連になる人を連れてくる層なのでここに対して一番アプローチをするのが店を軌道に乗せるために重要になるのだと思います。
戦略:新しい物好きで、いろいろな店に行っているので評価基準もしっかり持っているので後に続くお客さんに良くも悪くも大きな影響を与えてしまう為、この層に満足してもらうことが集客のカギになります。
ですので、私はここの客層の満足度を上げるために、サイレントオープンで客数を最初は抑えてでも全力を注げる環境づくりをするべきだと考えております。
- オペレーションを確立させる:新規店におけるもっともよくあるネガティブな風評である「出てくるのが遅い」などをさけれるようにしたいです。
- 体験的要素を入れる:珍しいメニューや驚きのある店内設備等で体験的要素を入れる事で、より話のネタになり他のお客さんへの拡散力が強くなります。
- インフルエンサーを使う:インフルエンサーなどの投稿を見てある程度の判断をしてくる方がアーリーアダプターにあたるので、そういった広告宣伝もありだと思います。
アーリーマジョリティへのアプローチ
特徴: 新しいトレンドを取り入れたいが、周囲の評価を重視する顧客層です。
友達に薦められてきたり、雑誌、チラシ、SNSで見かけて興味を持って来店してくださる客層です。
アーリーアダプターの影響を受けやすい傾向があると思います。
戦略:最も平均的な評価をする客層なので、如何にここに浸透させていくかが重要です。
オープン直後は繁盛していたがいつのまにか売り上げが落ちてしまったお店はこの層までアプローチがうまくいかなかったことを意味します。
- アーリーアダプターが口コミするような施策をする:思わず誰かに話したくなる少し変わった体験や尖った看板商品を用意する
- リピーター施策をする:スタンプカードなどを利用してリピーターにメリットやスタンプカード集めるという体験を与えることでリピートを促す。
- SNSのフォローの誘導:SNSをフォローしてもらい、そこに定期的に投稿を上げることで日常の中で店のことを見る接点を増やし、忘れないようにさせる。
レイトマジョリティへのアプローチ
特徴: 新しいことに対して懐疑的で、周囲の多くが試していることを確認してから行動する顧客層です。
ある程度の評判がないと来店につながらない客層です。
グーグルや食べログの口コミや知人の評価和ある程度確認してから来店される人です。
アーリーマジョリティであるおしゃべり好きのおばちゃんに連れてこられた方や、テレビ、雑誌、チラシ、SNSで何度も見かけるお店だからようやく重い腰を上げて来店して下さる層です。
基本的スタンスは新しいところで損をしたくないというタイプです。
この層は積極的に来店はしませんが、取り込むことができれば他のお店に目移りもしにくいので安定した集客を見込めます。
戦略:
- 実績や評判のアピール: レイトマジョリティには、カフェの安定した人気や地元での評判を強調します。メディア掲載実績や賞の受賞などを宣伝します。
- プロモーションや割引: レイトマジョリティはコストに敏感な場合が多いので、期間限定のプロモーションやクーポンを提供し、彼らの興味を引く施策を行います。
ラガードへのアプローチ
特徴: 非常に保守的で、新しいものを最後に取り入れる層です。
こちらの方々は新店舗にはなかなかいかないのでこちらの客層を取り入れるには町に根強くなじまないといけません。
ですので新規の集客方法はあまり意味がなく何年単位の時間がかかるので一旦あきらめて事業を継続して土地に根付くことを優先しましょう。
各顧客層の拡散力とリピーターになる確率のまとめ
こちらが、各顧客層における「拡散力」と「リピーターになる確率」を1~5段階で評価した表です。
顧客層 | 拡散力 | リピーターになる確率 |
---|---|---|
イノベーター | 5 | 3 |
アーリーアダプター | 4 | 4 |
アーリーマジョリティ | 3 | 5 |
レイトマジョリティ | 2 | 4 |
ラガード | 1 | 2 |
拡散力は、イノベーターが最も高く、新しい情報を広める力が強いことを示しています。逆に、ラガードは最も低く、新しい情報を他人に伝える可能性が低いことを表しています。
リピーターになる確率は、アーリーマジョリティが最も高く、安定した価値を感じた場合にリピーターになりやすいことを示しています。ラガードもそれなりの確率でリピーターになるものの、やや保守的な傾向があります。
まとめ
以上がイノベーター理論で考えるカフェの集客についての考え方でした。
私個人としては拡散力の高い初期の客に対しては全力で対応できるサイレントオープンをお勧めしております。
初期についた印象はなかなか変えれませんし、オペレーション的にミスも多発してしまう可能性が高いからです。
ですが、最初から自信のある方は十分に告知してオープンすることで客をたくさん集めることでスタートダッシュをかけれる可能性もありますのでそちらのやり方でも構わないと思います。
まずはこういった客層による性質の違いがあるという認識をもって集客を考える必要があるという話でした。
今回は以上になります。
ここまで読んでいただいてありがとうございました!
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