コーヒー好きなら一度は耳にする「モカ」。でも、「カフェモカと何が違うの?」「どんな味がするの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。実は、モカは特定の産地のコーヒー豆を指す名前なんです。
この記事では、そんなモカコーヒーの魅力について、コーヒー初心者の方にも分かりやすく、特徴から美味しい淹れ方までご紹介します!
モカコーヒーってなに? チョコレートとは違うの?
まず大切なこと!喫茶店でよく見る「カフェモカ」は、コーヒーにチョコレートソースなどを加えた甘い飲み物の名前です。
一方、ここで紹介する**「モカコーヒー」は、コーヒー豆の種類(産地)の名前**です。
昔々、アラビア半島のイエメンという国にあった「モカ港」。ここからたくさんのコーヒー豆が世界中に船で運ばれていました。その港の名前をとって、イエメン産のコーヒー豆と、お隣のエチオピア産のコーヒー豆を「モカコーヒー」と呼ぶようになったんです。
だから、「モカコーヒー」と言ったら、エチオピア産かイエメン産のコーヒー豆のことなんだな、と覚えておきましょう。
どんな味? モカコーヒーの味の特徴
モカコーヒーの一番の魅力は、なんといってもその「香り」と「酸味」まるでフルーツバスケットを開けた時のような、華やかで甘酸っぱい香りが特徴です。
- 香り: とにかく華やかな香りです。ベリー系の果物(ブルーベリーやイチゴみたい!)や、オレンジなどの柑橘系フルーツ、時にはお花のような香りと表現されます。この独特な香りが、モカが人気の理由です。
- 酸味: コーヒーの酸味って苦手…という方もいるかもしれませんが、モカの酸味はフルーツを食べた時のような、爽やかで心地よい甘酸っぱさが特徴です。レモンのようにキリッとした酸味から、熟した果実のような優しい酸味まで、豆によって様々です。
- 飲みごたえ(コク): 全体的にはスッキリと軽やかなタイプが多いですが、中にはしっかりとした飲みごたえを感じられるものもあります。
- 甘み: フルーティーな香りと一緒に、砂糖とは違う、コーヒー豆本来の優しい甘さが感じられます。
産地によって少しずつ個性は違いますが、この「フルーツみたいないい香り」と「爽やかな酸味」が、モカコーヒーのキーワードです。
モカコーヒーの故郷:エチオピアとイエメン
モカコーヒーが生まれる二つの国、エチオピアとイエメン。それぞれの特徴を見てみましょう。
エチオピア:コーヒーが生まれた場所
コーヒーの木が最初に発見されたと言われるのがエチオピアです。たくさんの種類のコーヒーが作られています。
- イルガチェフェ: とても有名!まるで紅茶やレモンティーみたいに、上品で爽やかな香りが特徴。すっきりとした味わいが好きな方におすすめ。
- シダモ: こちらも人気。お花や柑橘系の香りで、味のバランスが良い優等生タイプ。
- ハラー: ちょっと個性的!ブルーベリージャムのような濃厚な香りや、独特のスパイシーさを感じることも。豆を果肉と一緒に乾燥させる「ナチュラル」という方法で作られることが多く、ワイルドな風味が楽しめます。
イエメン:昔ながらのコーヒーの味
モカ港があったイエメン。今でも昔ながらの方法でコーヒーが作られています。
- マタリ: イエメンの代表選手!赤ワインやスパイス、時にはチョコレートのような複雑で奥深い香りがします。エチオピア産とはまた違う、力強くて少し大人な味わいです。作るのが大変で、なかなか手に入らない貴重なコーヒーでもあります。
同じ「モカ」でも、国や地域、豆の加工方法(※)によって、味が全然違うのが面白いところです!
- ※豆の加工方法メモ:
- ウォッシュド(水洗式): 水で豆を洗う方法。スッキリ、クリアな味になりやすい。(例:イルガチェフェ)
- ナチュラル(非水洗式): コーヒーチェリーの果肉ごと天日で乾かす方法。個性的で、甘みやコクが出やすい。(例:ハラー、マタリ)
おすすめの焙煎度合い(煎り加減)
コーヒー豆は、煎り方(焙煎)で味が大きく変わります。モカの魅力を引き出すおすすめの焙煎度合いはこちら。
- 浅煎り (Light Roast):
- 味: 酸味が一番はっきり出て、香りがとても華やか。レモンティーのようなスッキリ感が楽しめます。
- おすすめ豆: イルガチェフェなど、ウォッシュドの豆。
- 中煎り (Medium Roast):
- 味: 酸味が少し落ち着き、甘みと香りのバランスが良くなります。フルーティーさをしっかり感じたいならコレ!
- おすすめ豆: 多くのモカに合う、定番の焙煎度合い。迷ったらまず試してみて。
- 中深煎り (High Roast):
- 味: 酸味は穏やかになり、代わりにコクと甘みが増します。香りは落ち着きますが、赤ワインや熟したベリー、後味にチョコレートのような甘い余韻を感じられることも。
- おすすめ豆: ナチュラル精製の豆(エチオピアのハラーやイエメンのマタリなど)。酸味が苦手な方や、しっかりとした味わいが好きな方におすすめ。
深煎り(Full City Roastなど)にすると、モカ特有の繊細な香りが消えて苦みが強くなるので、基本的には浅煎り~中深煎りがおすすめです。
モカをもっと美味しく!おすすめの淹れ方
モカの素敵な香りと味を引き出すには、こんな淹れ方がおすすめです。
- ペーパードリップ: 一番手軽で、多くの家庭にある器具ですね。フィルターが余分な油分を吸ってくれるので、スッキリ、クリアな味わいになります。豆の個性を素直に引き出しやすい方法です。(ハリオV60、カリタなどが有名)
- サイフォン: 見た目がおしゃれで、理科の実験みたい! 香りをとても豊かに引き出してくれるので、モカの華やかなアロマを存分に楽しみたいときにぴったりです。
- エアロプレス: 注射器のような器具。空気の力でグッと押し出すので、短時間でしっかり味が出ます。淹れ方次第で、スッキリにも、濃いめにも調整できるのが面白いところ。
- フレンチプレス: 金属フィルターで濾すので、コーヒー豆の油分(コーヒーオイル)まで抽出できます。豆本来の味や舌触りをダイレクトに感じたいときにおすすめ。少し粉っぽさが残ることもあります。
どの方法でも、**お湯の温度(ちょっと低めの85℃~90℃くらいがおすすめ)**に気を配り、豆は淹れる直前に挽くと、もっと美味しくなりますよ!
まとめ
モカコーヒーは、エチオピアやイエメンで作られる、とっても個性的で魅力的なコーヒーです。
- チョコレートドリンクとは違う、コーヒー豆の名前だよ!
- フルーツやお花みたいな華やかな香りと、爽やかな酸味が特徴。
- エチオピア産(イルガチェフェ、ハラーなど)とイエメン産(マタリなど)で味が違う!
- 浅煎り~中煎りでフルーティーに、中深煎り(特にナチュラル)でコクと甘みを楽しむのがおすすめ。
- ペーパードリップなどで、丁寧に淹れてみよう!
「モカ」と一口に言っても、本当に色々な顔を持っています。ぜひ、お店で見かけたら、まずは中煎りくらいから試してみて、あなた好みのモカを見つける旅を楽しんでくださいね!
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